10月の24日、日曜日。大阪の阪南大学で、全日本学生ボディビル選手権大会がありました。
S君はボクの教え子(ボディビル)の一人で、今回大会に出場するのです。
だいぶ身体も絞れて、いい感じです!
この時S君は、大会のためにノンカーボ、ノンソルトの状態です。
ちなみに説明しますと、炭水化物をカットしてトレーニングをすると、筋肉中のグリコーゲンが、枯渇します。その状態で、幾日かトレーニングして、大会の何日か前から炭水化物の量を増やしていくと、
今度は、筋肉がそれをより吸収して筋肉に張りが出てくる。カーボアップというテクニックです。
塩の制限は、身体のむくみを嫌ってのことです。
その、炭水化物のカット、塩のカットは想像以上にキツイ!モチロン、筋肉の量は減らしたくないからタンパク質は、摂取します。でも、油はあまり取りたくないから、鶏肉のささみを茹でるか、蒸すか、の料理になります。
塩のカットはちょっと想像してみてください、パスタの,お湯で茹でただけのもの、野菜も,お湯で茹でただけのもの。本当に、味気ないとはこのことですよ。
トレーニングはさらにきつくなります。身体を動かす燃料を、タンパク質に求めなければいけなくなり,効率のいい炭水化物は無いのです。それでも、筋肉に刺激を与えて、筋肉の張りを求めるためには、扱うバーベルの重さは変えたくないのです。
競技としてのボディビルは、筋肉の形、量、バランスといった、芸術性が重んじられます。
フィギュアスケートのように、4回転飛ば無くても3回転でも芸術性が勝っていれば上位にいけます。
ボディビルは、筋肉の量もメインになってきます。
要は、簡単に言ってしまえば、かっこいいやつの勝ちですね。モチロン、ボディビル競技としての見方でですけれど。
舞台の上でポーズは修正できないから、目をつぶってポーズを決める練習!
マイナーな競技なんですよ。今だから、コンビニでアミノ酸なんか売ってるけど、ちょっと前には身体作りの人しか摂っていなかったんですから。
競技としてのボディビルは、マイナーですけど健康のための身体作り(広い意味のボディビル)は盛んですよね。スポーツジムはたくさん出来たし、厚生労働省なんかの介護予防も、要は、寝込まないように(保険使わないように)自分でトレーニングして鍛えてね、ってことなんですから。
結局S君は予選落ちしました。
競技としてのボディビルは24時間のスポーツになります。トレーニングはモチロンの事、食事も身体にとって必要であろう物の摂取、睡眠も成長ホルモンの分泌を促すために重要になります。常に、自己管理、節制、気持ちのコントロ−ル(トレーニングに向かう気持ち)をズーッと持ってないといけないスポーツなんです。
そこにかけて、数年努力して、そして予選落ち。それは、それは悔しいもんです。
ボクのところに連絡をくれたときにも、涙混じりの声で
「小原さん、すいません予選落ちでした・・・。」
こっちも、ウルッときてしまい、泣きそうになったんですけど我慢して
「お疲れさん、お前はよく頑張ったよ!結果はだめだったかも知れんけど、前回の大会の時の身体に比べたら、今回の身体の方が数倍よかったぞ!」
S君、君は身体だけじゃなく、心も大きくそして格好良くなったぞ!
どんな事柄であれ、熱い気持ちでぶつかって、跳ね返されたら泣いて、うまくいったら大喜びして。
そんな、熱い気持ちを忘れがちになってるボクは、S君に教えてもらいました。